UTADA UNITED 2006 大坂城ホール 2006.07.25

UTADA UNITED 2006

パンフレットの後記で宇多田照實が っていうかそのパンフレットの内容なんですけど、宇多田ヒカルが今までサイトで書いてきた日記がまんまコピペされてるだけというなんともアレな冊子で驚いたんですが、そのパンフレットの後記で宇多田照實が6年ぶりのコンサートって書いてて、あれれー2年前のアレは?って思ったんですが、そういや彼女もテレビとかの取材でしきりに6年ぶりとか言ってたりして、なんかもしかして2年前に5日間も公演したあの武道館ライヴは無かった事にしたい何かがあるのかな?と少し気になった。まあツアーとしては確かに6年ぶりではあるんだけども。


今回のシングルベスト的なセットリストを見ても、2年前のセットリストとあまり変わったところが無いあたり、なにか仕切り直しというかもう一度納得のいくステージをやりたくなったのかなあ、とか。まあ2年前の5日間において本意でないところがあったのかどうかは分からないけれど、今回のライヴはその2年前のステージに比べて全てがバージョンアップ、声や楽曲のアレンジはもちろんそうなんだけど、照明や映像といった紀里谷和明が監修する演出箇所が2年前のとは比較にならない、むしろやりすぎというかメインボーカルの存在を見失わせるような、ほら あの、衣装や装置に釘付けになるあまり肝心の歌い手さんに対する意識が一瞬どっかいっちゃうような、紅白における小林幸子的な、いやまあそこまでアレな感じではなかったですけれど、紀里谷演出が思い切り突出したステージであったことは確かでした。


アリーナ真ん中っていう結構良い位置で、普通に彼女の一挙手一投足が見て取れる事は可能だったんだけども、正直ライヴ中は彼女よりも映像ばっか見てたしな(;´Д`)


いや、映像っていうかスクリーンの使い方が良かったなあ。
舞台後方全面に横長のLEDスクリーンがドーンとあって、舞台手前にもスクリーンがあるんだけどそれが縦長のスクリーン4枚が連なる形でしかも可動式となっているので、要所要所で映像に動きを持たせるというか、舞台後方の映像と相まって映像を立体的に見せるような作り方がなされていて、これがかなり良く出来てて面白かった。紀里谷すごい。えらい。


で、内容なんだけど大雑把に分けると大体4つくらいな構成で。


This Is Love
traveling
Movin'on without you

1曲目に"Passion"があるんだけど、その後に間髪入れずこの3曲をノンストップミックスで一気にガーッと、アレンジ的には原曲よりも一層ドラムとベースに重さと厚さが施されたクラブトラック仕様なサウンドでのっけから場内をダンスフロアに。もうこの流れはねえむちゃくちゃカッコよいよ。


DEVIL INSIDE
KREMLIN DUSK
YOU MAKE ME WANT TO BE A MAN

えーと"FINAL DISTANCE"や"FIRST LOVE"がこの前にあるんだけどとりあえず置いといて、このUtada名義での3曲なんですけどね。まあその前のノンストップミックスの3曲と同じような厚いサウンドでカッコいい曲だったんだけど、にも関わらず会場の反応がわりとイマイチでね(;´Д`)なんか初めて聴くような反応だったなあ。つまりはみんな「EXODUS」なんて聴いてない もしくは存在すら知らないっていう、まあ宇多田は聴くけどUtadaまでフォローしてる人って、わざわざライヴにまで来る人でもそんなにいないのかなあ?と思った。


CMとかでバンバンやってた"EASY BREEZY"でもあればまた反応が違ってたのかも知れない、ほいでもあえて"KREMLIN DUSK"みたいなシブめのトラックで勝負してきたのは、ちょっとカッコいいなと思ったよ。ただせっかく宇多田×Utadaなライヴなんだからもう少し「EXODUS」からも聴いてみたかったし、聴かせるべきだったかも。もう客のウケ具合なんて無視してさ。


Be My Last
誰かの願いが叶うころ
COLORS

Utada名義の曲をとっとと終えての次のこの3曲。チェロのみを従えて歌う"Be My Last" そしてそれにピアノが加えられた"誰かの願いが叶うころ" 最後にアコースティックギターにパーカッションなどが入ってくる"COLORS" この流れとこのアレンジ。完璧すぎる。これは「ULTRA BLUE」でやっておくべき構成だよなあと聴きながら思ったよ。


こないだ出た「ULTRA BLUE」でなんか"COLORS"だけがやけに浮いてるように感じた人多数だと思うんですが、今回のこのチェロをメインにした流れってのは全く違和感なかった、というか ほら、普通シングル曲がアルバムに収録される際の「アルバムバージョン」という名のアレンジって、ホントに迷惑でホントに大きなお世話な仕上がりになるケースが多々あるわけなんですが、今回のこのアレンジ・構成に関しては「アルバムバージョン」として収録しても全くアリだなあ、というか「ULTRA BLUE」における"COLORS"のあるべき形だよなあと思わせましたよ。


Can You Keep a Secret?
Addicted To You
Wait & See 〜リスク〜
Letters
Keep Tryin'

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Automatic

ライヴ後半は、それまでの映像と連動した紀里谷演出のコンセプチュアルな構成が抑えられ、ステージを走り回り観客と積極的にコミュニケーションするライヴらしいライヴに。なにかそれまでは鑑賞するように見ていたのがようやく一緒になって盛り上がるというかヒートアップしてきて、さあこれからっていう頃合いで もう終了っていうのが実にあっけなくてね(;´Д`)つーか"Keep Tryin'"でなんか泣きそうになったんだけど(笑)もうなんなんだろう。別にあれって泣ける曲じゃないのにね。


今回のツアーは「ULTRA BLUE」からいわゆるアルバム曲が一切採用されないというホントにシングルベスト、2年前の再演という感じなんだけど しかし単なる再演ではなく全てにおいてパワーアップされたステージで、オレ自身2年前のはボーッと鑑賞している風なところがあったけど今回のはかなり踊れたし楽しむことが出来た。のでかなり満足です。宇多田ヒカルというのはなにか行動すると常に大きなプロジェクトになってしまうわけだけど、たまには大がかりなステージじゃない、ライヴハウスツアーくらいなのを出来るだけ多くこなしてやって欲しいなあと思います。ねえ?