Yukihiro Takahashi Presents 4 MOONS' LIVE @ Namba Hatch 2006.09.27

http://www.intenzio.co.jp/yukihiro/room66plus/060928.html
それにしても今年のMr.YTはかなり活動的だな。飛行機嫌いなのにエゾまで行ってライヴやったりその後もツアー組んで廻ったり。なんかICCでは全部セットリスト変えて新曲っつうかインプロ主体のライヴやったりとかで。んでこの後はソナーでしょ?しかも人のライヴにまで参加したりで。あーあとミカエラバンドもあったか。いやこれはかつて無いほど積極的に動いてるなあ。アクティブな幸宏って、らしくなくてなんだか不気味だ(;´Д`)


高橋幸宏としてのソロライヴを観るのは今回が初めてなんだけど、なんだかもう会場全体が最初から最後まで水を打ったような静けさと張りつめた緊張感が充満していて、その空気がもう気になって気になってなんかおなか痛くなってきたりした。幸宏ライヴの楽しみ方ってこういうスタイルなのか?って思ったりしたけど、でも昔の映像なんか観ると熱狂的な黄色い歓声があちこちから聞こえてたりするわけで、じゃあ一体これは何なのよ?と。まるでこれから映画でも鑑賞するかのような雰囲気だったなあ。


妙な空気になってしまった要因のひとつに、オールスタンディングではなくフロア内全てにおいてシートが用意されていたってのがあると思う。ライヴハウスなのにフロア一面にイスがズラっと。で、またそれが全席指定かと思いきや全席自由っていう(;´Д`)なんやこれ?ってウロウロしてたら「お好きなところにお座り下さい」とか言われたよ…。まー以前にムーンライダーズや教授のライヴでもこういうケースがあったんでさほど違和感は無かったけど、でも自由席ってのはわらった。


以前にも幸宏はSKETCH SHOWとしてここへ来たことがあって、そん時はオールスタンディングだったんだけど、しかしそれが観客から不評だったらしく、ある年齢層以上のファンからは「立ちっぱは正直しんどい」と。ファン層の年齢も考えろよって言われたらしくって。だから今回こういうスタイルにした、とMCで言っておりました。まあ確かにありがたい配慮ではあるけどね。あるけれどでも立ってるのと座ってるのとでは、やっぱ観る方も演る方もテンションが違ってくるよなあ。手拍子やら何かで応えるのならまだしも、ほんでまたそんな手拍子とか出来るような曲じゃないからなあ(;´Д`)


今回一番やりにくかったろうなあってのはHer Space Holidayの人だと思う。他の人たちがほぼラップトップをメインにしたパフォーマンスだったのに対し、ハースペの人たちは3ピースなバンド編成で今までのハースペさんのアルバムから想像しにくい、激しく賑やかめな全アクトで一番音がデカいライヴらしいライヴだったんだけど、それでもみんな座って眺める風な感じで。彼らもその辺りが気になってたのか、

お客さんが静かなのは何故?と外人勢からも質問が

別につまんなかったからってわけじゃなくて、幸宏の新譜とかを聴いて来た人にとって予想外な内容で戸惑っただけなんだと思う。最後のほうでベースの人が機嫌悪そうになってたけど…。しかし客層を考慮してシートにしたってのはホントのところどうなんだろう。チケットがあまり売れてなさげでスタンディングだとガラガラ感が目立つから急遽シートにしたって話もあったりなかったりなんだけど。実際空席があったくらいだからなあ。


会場の雰囲気はさておいて、肝心の内容そのものはとても良かった。今の幸宏の音はSKETCH SHOWでの気分がそのまま反映されているので、基本的にはひとりSKETCH SHOW状態。それにスウェーディッシュボーカルのシバオカチホやユーフォニウムやピアニカなどを操る権藤知彦など「SKETCH SHOW的」なサウンドを担う2人が参加しているので、より一層SKETCH SHOWライクなライヴになっていたと思う。


新譜の「BLUE MOON BLUE」もそうだったけど、スタイルとしてはSKETCH SHOWを踏襲してはいるんだけれども、でも幸宏のあの声とそれに伴う彼独特の色気みたいなのがSKETCH SHOWに比べて色濃く反映されているので、ニュアンスや世界観という点においてはSKETCH SHOWとはかなり異なっているように思う。ライヴでもやったSteve Jansenとの「IN THIS LIFE」なんてSKETCH SHOWでは出せない世界観だろう。ちなみにこの曲が個人的に今回のベスト。これ「Mr.YT」でもやってたんだよね。


ドラムでビシッとキメてくれるんだろうと期待してた「STILL WALKING TO THE BEAT」はドラムでやってくれなかった。というかドラムなんて最初から用意されてなかった!!!まあ最近のやってる音楽からいっても特にドラムは必須ってわけではないから、その辺はまあ良いんだけど、でもこの人のドラムって時として機械以上に機械っぽく淡々と刻むところに定評があるというか貴重な人力マシンのひとりなので、たまには「テクノ」なリズムを刻む様を見てみたい、とも思う。なので「STILL WALKING TO THE BEAT」はまさに生で叩いてこそ味のある1曲なのになあ、と思った。


YMOからは「CUE」、そしてアンコールでは「Drip Dry Eyes」「Murdered by The Music」の2曲。それぞれチリチリパチパチした、でも原曲と大きく外れることのないアレンジで大体想定内。随分前にやったラップバージョンの「Murdered by The Music」ほどのインパクトは無かったなあ。まーあれはあれで正直どうかと思うが。


あとアンコールの2曲で、今までスウェーデン語をぼそぼそ喋るだけだったシバオカチホがボーカルとして幸宏をサポートしてた。歌もなかなかいける人なんだな。しかし彼女ってSKETCH SHOWがFMの番組で北欧特集をする際に、スウェーデンの大使館に勤務経験もあって北欧事情に詳しいっていうことで呼んだ、いわば素人さんだったのに、まさか彼らのサウンドを担うほど重宝されるようになるとはなあ。どういう出会いで何がどうなるのか人生分かんないよね。オレにとってのそれはまさにZONEなんだけどそれは置いとくとして。


えーと幸宏のソロツアーとしては8年ぶりということで、その間に「BLUE MOON BLUE」だけじゃなく「The Dearest Fool」もあったわけで、当然その辺からの曲も期待してたんだけど、完全にスルーされた!多少歌モノとしての比重が高いアルバムだから、今回のライヴには趣旨的に合わないので外したんだとは思うけど、でももったいないね。良いアルバムなのに。いつか聴きたい。


長文すぎる。どんなけ幸宏が好きなんだおれは。


I LIKE THE WRIGHT BROTHERS, BUT NO AIRPLANES
CUE
MUSEUM#3(new song)
BLUE MOON BLUE
EXIT TO REALITY
STILL WALKING TO THE BEAT
WHERE ARE YOU HEADING TO?
A STAR IS BORN
IN THIS LIFE
EVERYBODY HAD A HARD YEAR
SOMETHING NEW
ETERNALLY

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Drip Dry Eyes
Murdered by The Music