クリックもいいけど歌モノなアルバムも聴いてみたい

 AOKI takamasa / PARABOLICA
http://www.hmv.co.jp/news/newsdetail.asp?newsnum=610120059
http://www.cisco-records.co.jp/cgi/title/techno/detail_178305.php
AOKI takamasaがテクノをやるとこうなりますというアルバム。テクノを作るということを前々から言っていたので特に驚きはしなかったけれど、あーやっぱそっちに行っちゃうんすねーってのは思った。op.discのレーベルカラーを反映したクリックサウンドで、彼の今までのサウンドをよりフロアライクに、ダンスミュージックとしての機能性を持たせるとなると、そっち方面に行ってしまうのは必然なのかなあ…という気もする。けれどもテクノのフォーマットやセオリーを知らない(ホントに知らないのかどうかは分からないけど)ってのがこの人の強みでもあり、そういうところからのダンスミュージックへのアプローチってのが彼のサウンドの面白さでもあったので、素直に四つ打ちをされると何かもったいないなあ…っていうかまだ早いよ!みたいなのが。


とは言え、神経質なサウンドメイクは相変わらずであり、ミニマルではあるんだけれどトリッキーなビートが幾重にも重なってリズムを微妙にはぐらかしてくるあたりにいつものAOKI節が垣間見られる。キックの太さや輪郭、硬さもやはりいつも通り。以前の「indigo rose」や「Simply Funk」にあったストイックで緊張感のある精細なアレンジという方向ではないけれど、キックやスネアなどのサウンドそのものに迫力と説得力が備わっているのもいつも通り。やはり四つ打ちとは言えいつものAOKI takamasaな音響要素が楽しめるアルバムだと思う。


今回のストレートなダンスミュージックへの接近っていうのは、より多くの人に興味を持ってもらいたい、いままで興味を持たなかった人にも聴いてもらいたい、という色気があっての挑戦でもあるらしい。こういうウケようとする姿勢を良く思わない人もいるみたいだけど、でもまずは興味を持ってもらわないことにはどうしようもないからなあ。これがキッカケで少しでもリスナーの幅が広がると良いんだけれどね。


AOKI takamasa - New Album “PARABOLICA” Preview #1
AOKI takamasa - New Album “PARABOLICA” Preview #2