ほんこん

なにげに試聴した松たか子の新曲がスゴく良かったのでちょっと嬉しくなりましたね。嬉しくなりましたねってのもなんかこれちょっと気持ち悪い感じですけども。彼女になら根性焼きされても本望だなあ、とかたまに思ったりもするんですけども。いやまあ、やっと松たか子が戻ってきた!って感じの曲だなあと思いまして。大袈裟なんですけども。そんで新曲っていっても竹内まりやの提供・プロデュース曲じゃなくて、松たか子自身が書いた2曲目にある佐橋佳幸アレンジの"幸せの呪文"っていうカップリングの方ね。ホント彼女の曲で素直に良いなーって思えたのはかなり久々な気がする。


いや、この人の曲はいつもいつも出来が良くてクオリティの高い曲ばかりなんだけど、しかしながらどうも優等生すぎるというかスキが無いというか、丁寧で良いんだけどでもつまらないなあとか退屈だなあって印象のが多くてめっきり関心度が下がってた。佐橋佳幸が本格的に絡み出して(公私ともに!)作った「home grown」あたりからフォークロックやAOR然としたサウンド志向が強くなっていき、いつの間にか歌謡ポップス的なところからは距離を感じるようになったんだけどってそれは前にも書いたような気がするな。


で、今回のシングルもいつも通り玄人受けしそうなプロダクションワークでそつの無い出来栄えなんだけど、いつもの佐橋仕事にしては今回の曲は随分と軽い。軽いというか畏まった聴かせるタイプの雰囲気では無く、ここ最近の楽曲では割と疾走感のある軽やかでシンプルなサウンドで心地よいです。後半から入るソプラノサックスも伸びやかで効果的。アブラ〜カターブーラーじゅ〜も〜んーとーなえーたら〜って歌詞もスゴく適当さに溢れていて逆にアリ。今日日アブラカタブラとか歌えるセンス。竹内まりやの提供の曲はどう聴いても竹内まりやにしか聞こえないので竹内まりやが歌えば良いのにと思いました。


関係ないけど最近のシングルCDはPVを収録したDVDとセットで売られるようになりましたけど、でもそのDVDって殆ど見ないよなあ。いや取り出す事すらしない。YouTube脳。


松たか子ってなにげにもう10年近く自作自演でやってきてるけど、この人のルーツというかバックグラウンドって全然分かんないなあ。あと歌も上手いし良い曲も書くんだけど、なんか楽曲からパーソナルな部分が全く見えないというか反映されてないっぽいんだよな。常に楽曲と自身の間に一定の距離があるというかなんというか。この人もその内「LOVE」とか「moi」みたいな後期斉藤由貴みたいな業の塊みたいなアルバムとか作っちゃうんだろうか。聴きたいけど怖い。