sonarsound tokyo 2006に行きまして

sonarsound tokyo 2006

いろいろ予想はしていたけれど、2年前と悪い意味で変わってないなあというか、むしろ悪化してんじゃんってところもあって、あと今回は台風は来なかったけどかわりに強風・突風に見舞われてやっぱり予定変更させられてたりとか、あと地元住民からのクレームで揉め事があったりとか、そのせいで音が出せなくなるとか、なんかもうここでのソナーは完全に呪われてるとしか思えない。確実に恵比寿に眠るナニかを起こしちゃってるな。地鎮祭みたいなのやってから開催した方がいいよ。


とりあえず運営上のアレはさて置いて、2年前も簡単に振り返ったんで今年も簡単につらつらと振り返る。アホほど長くなったけど。


Ametsub

わざわざ昼間から開催される【SonarSound Extra】のしかも初っ端から駆け付けたのは、Ametsubのライヴを観るため。アルバム「Linear Cryptics」がスゴく良かったのでどういうライヴをやるのか気になっていた。音源をそのまま流す感じなのかと思ってたんだが、キーボードでなにげに弾いたフレーズをリアルタイムでサンプリングしながらグリッチな加工を施したりと結構色々と忙しくやってたみたい。この「Linear Cryptics」は跳ねまくるグリッチビートが気持ちよいんだけど、屋外で聴くとよりダイナミックで刺激的なサウンドになって自然と体も揺れていた。最後はゲームボーイも使って荒々しいな音色を散りばめながら1時間弱で終了。良いライヴだった。チケットの元は取れたな。まあ昼間はタダなんだけど。



Takashi Wada
で、まあこっからいきなりグダグダになるんだけど、Ametsubが終了してセットチェンジしてる間になにやらPA辺りで付近住民と思われる人とスタッフが揉めてたらしい。で、まあTakashi Wadaのライヴが始まるんだけど、さっきのAmetsubのライヴに比べて明らかに音が小さくなってて殆ど音が聴こえてこなくなった。この時間になると風もやたら強くなってガサガサと物音が激しくなり、そしてそこら辺で走り回ってるガキの声とか連れて歩いてるバカデカい犬の鳴き声とか、あとセンター広場近くでガラガラ抽選会なんかやってて、そのガラガラを回す騒音がライヴの音よりもスゴく目立っててわらった。またウマい具合に一等とか出す人がいてさー なんかそういうインプロなんじゃねーか?ってくらい絶妙なタイミングで鐘を鳴らしてライヴを妨害してたのがウケた。


どうやら住民からと思われるクレームで、モニタースピーカー以外の音を全部切っちゃったらしいんだよね。エレクトロニックミュージックの祭典でスピーカーから音が出せないって前代未聞すぎる。それもアリといえばアリなのかも知れないけども。そんなだったのでTakashi Wadaのライヴは最後まで観ず、あと品川へジュノリアクターとTAMAYO率いるBetta Frashのライヴを観るために一旦恵比寿を離れる。その後も【SonarSound Extra】で行われたライヴは音が絞られ、あげくは強風の為にイベントそのものが中止になったらしい(;´Д`)ひでえ。



Eliot Lipp
で、品川で体力を使い果たしてフラフラになって恵比寿に戻る。とりあえず【SonarSound Hall】でDJ KRUSHを少しだけ観て【SonarSound Lab】へ行ってEliot Lippを観る。そういやLabに入るのは初めてだった。2年前は規制がスゴくて全く入れずじまいだったからなあ。Eliot Lippは「Tacoma Mocking Bird」あたりのダウンテンポな感じかと思ってたが、高速ブレイクビーツな曲も織り交ぜつつ緩急付けたライヴを展開。わりと激しめな感じだった。で、最後まで観たかったんだが【SonarSound Hall】でTuckerのライヴが始まりそうだったので、1時間のうち30分だけ観て退散。少しだけしか観てないからアレだけど、ポスト・プレフューズっていうのはちょっと違うなあと思った。



Tucker
ソナー1日目でのベストアクトかな。笑いながら観させてもらった30分だった。江頭2:50がミュージシャンだったらこんな風なんだろうなあ。と、ターンテーブルからエレクトーン そしてベースにシンセにドラムへと縦横無尽に駆け回る俊敏な動きを見ながら思った。あと無軌道なハイテンションっぷりが猫ひろしのようでもあったり。さながら子供がおもちゃを散々いじくり倒すも、スグに飽きて次のおもちゃに興味を示しぐちゃぐちゃに引っかき回してく、そんなパフォーマンスだった。全編アドリブっぽくも見えるんだけど、テキーラのくだりとかチャンとネタを仕込んでたりするあたりもわらえた。



DoraVideo
登場するなり「どうも、デラソウルです」と適当な挨拶。内容としては大まかに2通りのパフォーマンスになってて、1つはドラムの動きに合わせて映像が再生・逆再生が繰り返される即興的な内容で、テレビ番組をザッピングしまくってるような目まぐるしいライヴ。もう1つはキチンと音楽に合わせて映像が編集され完全に作りこまれたビデオをバックにドラムソロ。ニューオーダーの「ブルーマンデー」に合わせて歌い踊るマツケンサンバとか、YMOの演奏による「ギザギザハートの子守唄」とかそういうのは昇華されてる感じがして素直に面白かったんだが、即興でドカドカやってたパートは、映像ネタが数子や元彌に騒音おばさん、そして亀田の子などなど素材自体が既に卑怯というかある意味ベタなネタのチョイスにそれはどうなんだろう、とか思ってしまった。


しかし実はネタのあれこれなんてのはどうでもよくて、激しいザッピングな映像とドラムソロが生み出すマッドなトリップ感覚に素直に身を任せて見るべきなんだろう。なんつうかフィジカルに映像を受け入れるというか。あと一見毒がありそうに見えるんだけど実は何にもないのが「ドラびでお」なのかなと思った。


新曲「さかもっちゃん」は、坂本龍一の「PLAYING THE ORCHESTRA 1997 "f"」から「1919」をベースに、時折アホアホマンを挟み込んだ映像でドカドカとドラムソロ。でもこれが楽曲として妙にかっこ良いアレンジになっちゃってて普通に聴き入ってしまった。しかし「実録・公務員カラ出張」はホント酷いね!ちょっと引いた(;´Д`)どこの連中だよアレ。



DIPLO
M.I.A.が出てたらしいけど記憶に無い。隅っこで小さくなっていましたね。



Toshio Iwai
http://www.directions.jp/airartlog/2006/09/toshio_iwaijapan.html
2日目。内容的にはバルセロナのソナーでやった↑にあるのと大体同じ。DSのエレクトロプランクトン2台とSOUND-LENS、そしてTENORI-ONを使ったセッション。もっとプレゼンテーション的なイベントになるのかと思っていたが予想に反して非常にライヴ感のあるパフォーマンスだった。TENORI-ONは盤面に並ぶ16×16のLEDスイッチを触ると、一定のループで音が鳴り続ける手のひらサイズのシーケンサーTENORI-ONで任意に生成・配置されたループ音をベースにDSやSOUND-LENSで即興的に演奏、といった感じ。どの「楽器」もインターフェイスが直感的なので、適当にやってもそれなりに奏でることが可能なんだろうけど、実際パフォーマンスとして聴かせるには多少なりとの音楽的センスというか、ある程度のリズム感は求められそうだなあと見てて思った。あれは相当練習してきてるはず。



YUKIHIRO TAKAHASHI with Many Friends
2年前のHASではね、将棋倒しになるくらい激混みだったけれど今回はそうでもなく。最近までツアーをやっていたが、ソナーではツアーでやってたのとICCや美術館等でやったインプロ主体のそれぞれを組み合わせた内容でライヴ。印象としては先日なんばで観たのと大体同じなので省略。



BOOM BOOM SATELLITES (SONARSOUND EXCLUSIVE SET)
BOOM BOOM SATELLITESはライヴに限るなとあらためて。3rdの「PHOTON」以降の音があまり好きではなかったので最近のは殆ど聴いてないんだが、なぜかライヴでの音はスゴく好きだったりする。今回もやたら抜けの良いスネアの音が気持ちよかった。時間的にLabでのeaterとかぶる為に後半まで見れず途中で退散。



eater
daisyworld唯一の四つ打ち担当。ALTERN8のウラだったけど結構人が多くて盛り上がってた。さっきのBOOM BOOM SATELLITESじゃないけど、eaterのリズムトラックも非常に抜けの良い軽快なビートの曲が多く聴いていて気持ちがよい。基本的にeaterのサウンドは、クリックハウスでありアンビエントエレクトロニカ路線、ということになるんだろうけどもなんかあまりしっくりこない。クリックというには少々ファンキーすぎるしエレクトロニカにしてはフロア志向すぎる。まあその辺が面白くて良いんだけど。人によってはやけに軽快なリズムトラックやあっさり目の上モノが物足りなくつまらないと感じてしまうかも知れない。その辺わりと評価が分かれるとは思う。オレはかなり好きなんだが。



ALTERN8
eaterを最後まで観たので途中からALTERN8のフロアへ。聞くところによると「Strings Of Life」やらオービタルにニューオーダーだのをバンバンやっていたそうですね!!まるで2年前のJUAN ATKINS × CARL CRAIGがやってたような選曲だな。羨ましい!オレが入った時はちょうど「E-Vapor-8」「Activ-8」など自身らの曲を回してるところだった。日の丸のハチマキしながら。つーかライヴじゃなくてDJだったのな。
http://sonarblog.exblog.jp/4287836/

な・なんとMaskを作成中のAltern8を発見!!

で、完成したのがこれ。良いひとすぎる(;´Д`)



Golden Pink Arrow
[ACO + Taeji Sawai(a.k.a.portable[k]ommunity) + Tanaka-Kun(Dr)]

パンクっぽいのが今の気分なのかしら。Taeji Sawaiが何かでいわゆるラップトップだけによるエレクトロニックミュージックは飽きてるんで身体性を伴う形でのパフォーマンスが云々ってのを読んだ覚えがあるんだが、このバンドはそのひとつの形なんだろうか。本番中にギターのチューニングとかやったりで随分ユルユルでほのぼのしてましたけど。マテリアルガールは聴きたかったんだが、SENOR COCONUTが始まりそうだったので途中退出。



SENOR COCONUT and His Orchestra
http://dwww-hosono.sblo.jp/article/1430131.html
詳しくは↑御大の日記を見るといいです。そういや御大が「MADMEN」をライヴで歌ったのって、もしかすると散開ライヴ以来なんじゃないかしらね。所々で声がうわずってたりして歌いづらそうだったけど。


一体感という意味ではこの日のこのアクトが一番だったかもしれない。「Beat It」や「Smoke On The Water」のサビ部分での盛り上がりというか客の熱唱っぷりが。あと「AUTOBAHN」のイントロで客が一斉に「あーーうとーーばーーーーんー」ってチャンと歌い上げてんのがウケた。まあ、そこは歌うよね。そういや「AUTOBAHN」って曲中にクラクションなど色んなSEがあるけど、その辺もそれとなく楽器で再現してて細かいなあって感心した。陽気なボーカルのおっさんとは対照的に、アトム"マエストロ"ハートはラップトップの前で微動だにせず置物みたいにつっ立ってて、まさに「The Robot」みたいだった。


ふと振り返って2階の関係者席あたりを見ると、今年もenoの人がいた。



Go Home Productions
HELLは何回か観たこともあったので最後はGo Home Productionsへ。ただもう疲れきってたのでまた隅っこで小さくなってましたね。しかしこんなところでスクウェアの「TRUTH」が聴けるとは思わなかった。その後はコモれびの人と大甲子園の各停さんと飯食って解散。ほぼ不眠でバテバテだったのでいくつもりだったM3は無理でした(;´Д`)