Perfumeのアルバムを聴いたよ

シングルベスト的な体裁のアルバムになっているからなのか、最初っから最後までテンションが全く落ちることが無いというか、一度再生しちゃうと最後までノンストップで聴かされてしまう、そんな箸休め的な楽曲がひとつも無い構成になっているので、これは聴いてるほうも付いていくのが大変だなあと思った(;´Д`)聴き終えた後、なんとも心地良い疲労感が。


そして何回か聴いていてふと思ったんだけど、聴いている最中って全くと言っていいほど歌手としてのPerfumeというのを意識しながら聴いてない、というか聴けていないんですよ。なんでか。それが最も顕著にあらわれるのが"リニアモーターガール" "コンピューターシティ" "エレクトロ・ワールド"のいわゆる三部作と言われる楽曲で。


この3曲に関してはもう全く三人が見えてこないっていう感じで、ボーカルが完全に楽曲に溶け込んでしまっていて「歌」の部分がサウンドの一要素となって聞こえるんですよ。


そういった印象を与える作り方に関しては、当然そういう狙いがあってのことなんだろうなあってのは理解出来ます。特にこの三部作での彼女たちの声って、いわゆるAutoTuneで加工された平板な声色による歌唱がひとつのスタイルとしてあって、歌声からにじみ出る彼女たちのボーカリストとしてのパーソナルな部分を出来るだけ抑えて、テクノポップサウンドに乗せているんだろうなあ、と。特に"エレクトロ・ワールド"のような世界観にはベタかも知れないけどハマっているなあと思うし、それに大本彩乃さんの持つイノセンスっぷりというか彼女のここ最近の死んだ魚のような虚ろな眼差しと、この三部作が持つ世界観との相性は抜群だなとも思いますし。


でもって最近のPerfumeの聴かれ方、または評価のされ方って単にJ-POPというか従来の「アイドル歌謡」としての聴かれ方ではなくって、どちらかというと「エレクトロミュージック」として聴かれ評価されている側面が強いように思うんですよ。ですよっていうかそうだろっていう。実際、彼女たちのファン以外の層からの楽曲に対する言及がネットでは目立つし、そういった形で注目される状況が現在のPerfumeを支えるひとつの要因にもなっているし、それは普段アイドル枠の音楽に見向きもしなかった人達を振り向かせてしまう、中田ヤスタカサウンドのなせる業でもあるわけなんだけど。まあ従来のアイドルファン以外の層にも、彼女たちの曲が届いているのは面白いし良いなあ、とは思うんですよ。


ただなんだろうなあ、上手く言えないんですけど「アイドルっぽくない!」とか「アイドルらしからぬ優れたサウンド!」とか「アイドルファン以外にも聴かれるべき!」みたいな評価のされ方を見るたびに、えーとそれは彼女たち「Perfume」としての評価というより中田ヤスタカが絶賛されているだけのような気がして、Perfume三人の受け止められ方としては、それはどうなんだろうなあ?っていうのがちょっと。いやまあ、確かにそれはそれでひとつの正解なのかも知れないんですけどね。ただほら、あの三部作あたりの曲ってぶっちゃけ彼女たちのボーカルじゃなくても全然成立しそうなサウンドに聴こえるじゃないですか。だからよりPerfumeとしてはどうなんだろう?って思うんですよ。


http://d.hatena.ne.jp/doop/20060714

最近、あまりに彼女らの楽曲が中田ヤスタカの作曲遍歴とシンクロしすぎてて、それはつまりスウィートドーナッツの頃とはもう比べるまでもなくアイドル要素、キラキラした要素が減ってきてて、うーん、なんか違うんだよなぁと思ってたところにコレだもんなぁ。アルバム買うけどさぁ。買うけどさぁ!

中田ヤスタカをそのままPerfumeに持ち込んでるってことだと思うんですが(違ってたらゴメン)それで思ったのがかつて細野晴臣坂本龍一なんかもアイドルにバンバン曲を書いてた時期がありましたけど、でも自身をまんま投影させたような、持ち込むようなのってあんまりしなかったよなあ、と。あーでも 少女隊の"SIAM PARADISE"みたいに それまんまNON-STANDARDやん。とかそういうのもあったりしたか(;´Д`)


えーとまあ自分でもなに書いてんのかよく分からなくなってきたんですが!オレとしては、メジャーデビュー以降のような路線もそれはそれで良いですけれど、いま以上に三人のパーソナルな部分が見えるような、三人の「声」が聴ける楽曲、個人的には"スウィートドーナッツ"みたいな曲が一番好きなんだけど、そんなのがもっと増えると良いなあ!ってのが言いたかっただけです!それだけなんです!今度アップルストアでのイベントに行って来ます!握手します!そのあとタワレコでのイベントにも参加するつもりです!握手します!アイオタではありません。


まあいろいろ書いたけど、別に苦言を呈してるつもりじゃなくって、というか内容に関して全く問題もないしスキもないしこれを素通りすることは考えられない2006年最高なアルバムのひとつなんで、ホントみんな 買おう!


 Perfume / Perfume 〜Complete Best〜 [Limited Edition]