僕達はハレンチなことにパンチしたんだ!

ロック

 80★PAN! / 8 Carat Princess
http://vmd.jvcmusic.co.jp/-/Product/VICL-62358.html
ハレパンから80★PAN!への改名及び「ロック宣言」に伴うガールズバンド体制への方向転換は、やはり小笠原朋美による意向が強く反映されたものだと思うのだが、まだデビューから2年足らずでこの軌道修正をサラッとやってしまえるその柔軟さにまず驚く。そしてミクスチャー路線からバンド化へと転身するにあたり、自分達で楽器を手に取り練習しバンドを組むのではなく、新たにバンドメンバーを外部から迎えることでバンド体制を作り上げるというそのアイデアは、かつて一度も楽器を手にした事がなく、路線変更の為に半ば強制的に楽器を持たされながら、しかし果敢に楽器との格闘を重ねることでダンスグループからガールズバンドへと華麗に転身することが出来たZONEのそれとはまったく異なる手法で非常に画期的。


「そうや!ロックがやりたい!」→「あー、となるとバンド組まなきゃいけないよなあ」→「んー流石に楽器は出来へんし今から練習ってのもありえへんしなあ」→「んーどうしたもんかなー」→「そや!朋美らが出来ひんかわりに、楽器が出来る人を別に雇ってくれば良いんちゃうん?」→「うわすっげ!朋美すっげ!天才じゃね?ね?」というまさにこのアウトソーシングな発想は、Web2.0時代における新たなガールズバンドの在り方を示唆していると言えるのではないだろうか。そしてその時々において小笠原朋美が追求するサウンドの為に、それまでの三人という体制にこだわることなく積極的に形態を変えていくというその姿勢は、まさにアイドル界のスティーリー・ダンと言っても過言ではないだろう。


さてハレパン時代ではそのミクスチャーサウンドなデビュー曲があまりにもオレンジレンジ的だということで相当のバッシングがあったようだが、今回の80★PAN!体制においてもその姿勢を改めるどころか一層過激さに拍車が掛かっており、特に7曲目の"キラキラ"はどう考えても全B'zを敵に回しているとしか思えない程に"さまよえる蒼い弾丸"すぎる。イントロのパーカッシブなサウンド含め全編通してあまりにもアレ。なるほど小笠原朋美の「ロック宣言」とは、かくも過激なモノだったのかと思わせる一枚です。ということで、いま一番面白いガールズバンドは80★PAN!以外に考えられないだろう。


80★PAN!「8 Carat Princess」誕生秘話

エッジを立たせる為にフェンダーテレキャスに変更したという大空さんや、リンキンのマイクみたいにインダストリアルな感じを目指したという奥菜さんの意気込みが見られます。必見です。