Karl Bartos (ex KRAFTWERK) JAPAN TOUR 2006 FINAL

3000円という良心的な価格設定というのもあって、ふらっと気楽な気持ちで行ってはみたものの、開催場所が心斎橋という雑多な繁華街にありながら微妙に大人の隠れ家的な雰囲気の、御堂筋を眼下に見下ろす地上11階に存在するsalon de CALIGULAとかいうその場所は、未だかつて体感したことのないダメな意味でのセレブ臭気に満ちていて、そんな空間にニコモノなどを聴きながらひとり昂揚気分でぬるっと入場してしまった場違いすぎるボンクラテクノキッズ気取りことあたくしが真っ先にとった行動は、ひとまず入り口廊下の片隅で消えてしまいたくなるような今にも泣いて帰りたくなる感情を抑えつつ、そしてどうしようもなく手持ち無沙汰でもありましたので、ケータイで終始ミクシィをチェックしている風な、それとなく開場まで時間を潰してるだけですよ感を装うことによる漠然とした居場所の確保と情報収集に勤しむ余念の無さをアピールすることでした(バルトスコミュみてたら同じようにリアルタイムで泣いてる人がいた!)ていうかドレスコードがあったのにオレはよくこのツラで入れてもらえたよな…。


さて、フロアを見回してもバルトス目当てな人は殆ど見当たらず、普通に食事に来てるVIPっぽい外人とか、見たことあるようなモデルに見たことないようなタレントとおぼしき人が数人いるだけの空間でほんと死にそうだった。しかしですね、いざバルトスがDJブースに出てくると、今までフロアに存在していなかったであろう民間人(もちろんオタクです)が急にわらわらと集まりだしてきて、君たちのその巧みな身の潜めっぷりには同志として胸が熱くなるものがありました(もちろん私も柱の陰から固唾を呑んでいたひとりです)でもなあ、正味20人も集まっていなかったのにはつらいものがあったな…。まーライブじゃなくDJイベントだったからとはいえちょっと意外な集客数だった。ex KRAFTWERKですよ?言うても。


そして、KRAFTWERKの曲も勿論惜しげもなく回しつつ、中にはバルトス風味なアレンジでいくつかやってくれたのもありました。とてもありがたい。CDJでかけっぱなしなだけでしたけど…。あと自身のソロ曲もいくつかやってたよ。密かに「15 Minutes Of Fame」とかも期待してたんだけどこれやってくれなかったんだよなー。かわりにかどうか分からないけど、ニューオーダーブルーマンデーかけてた。これがこの日一番フロアが湧いてました。


バルトスさんはDJ中にもかかわらず、オタクがここぞとばかりに持参してきたKRAFTWERKの各種アナログのジャケットにサインをしたり、握手に応じたりと気さくなおじさんでした。これはフローリアンやラルフではまずありえないっていうか怖くて近づけないですが…。DJ終了後、握手を求めに行くと「ダンケ!」と声をかけて貰いつつ握手に応じて頂いたのでこちらも「ダ、ダンケ…」と返事をして、あー学生時分に独語選択しといてホントによかったなあとしみじみ思いました。あとバルトスがフロアから去ると蜘蛛の子散らすようにバルトス目当ての民間人(もちろんオタクです)が会場から消え失せる様が印象的で清々しさがありました。ありがとうございます。



Karl Bartos / The Robots
https://www.youtube.com/watch?v=QQKdTYI49rg
真っ暗ですけれど。
*2016.06.29 動画をアップしました。